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今年も各地で悲喜こもごもが繰り広げられた。来年のお受験への戦いは もう始まっている。我が子の学力を伸ばし、「合格」を勝ち取るためには 十全な準備が不可欠だ。「環境」も重要な要素のひとつである。 有名塾に通わせることと並んで子供の学力アップの鍵とされているのが、 自宅での学習環境作りである。
2月に入り、北九州市立大学国際環境工学部・森田洋准教授(生物資源 工学)によって、興味深い研究結果が明らかになった。和室に使用される 「畳」が、子供の集中力アップに大きな効果があるというのだ。
研究対象となったのは福岡県福岡市内の進学塾・英進館天神本館に通う 中学1年生233人と小学5年生90人の計323名(男196名、女127名)。 同塾では昨年から畳敷きの教室を導入している。 福岡県産の畳表(イグサの茎を麻糸で縫ったむしろ)を床に敷き詰め、 その上に机と椅子を設置。子供たちは靴を脱いで授業を受ける。 昨年から5月から6月にかけて、森田准教授は、その畳敷き教室と 通常のフローリングの教室で1回ずつ、のべ646人の生徒に対して テストを実施した。2ケタから4ケタの足し算・引き算、計234問を 30分間に何問解けるかを調べた。 計算そのものはさほど複雑ではないが、とても制限時間内に さばききれない量が課された。
その結果、フローリングの教室で解いた場合の平均は、解答数が 129.0問。一方、畳の教室の平均は145.7問だった。 畳の教室の方が、約17問、解答率にして14.4%もの伸びが 見られたのである。 さらに、正解率でも顕著な差が生じた。フローリングの教室が 88.5%であるのに対し、畳の教室は90.4%。正解率も、 畳の教室が1.9%高かった。
「この結果から畳には“集中力の持続効果”があると考えられます。 とくに注目したいのは、なかなか長時間集中することが難しいはずの 年齢の低い子供たちほど、その傾向が強いということです」(森田准教授) 実験では、小5の解答率に限ると、畳の教室の方が24.3%も高い数値を 示しており、中1の解答率の差12.4%に比べ、約2倍となっている。 低年齢層ほど畳教室の効果が大きく表れているのだ。
畳が集中力に効果をもたらす理由は何なのか。 森田准教授は、その芳香成分に理由があると考えている。 「畳の主原料であるイグサに多く含まれる芳香成分のフィトンチッドや バニリンは、森林浴などで得られるのと同様のリラックス効果があり、 交感神経に作用して甲状腺刺激ホルモンを分泌させることに つながるとされる。これが、やる気と集中力の持続に結びつくと 考えられます。ぜひ子供部屋には幼少時から和室を勧めたい」 子供たちの反応も良好だった。研究に参加した子供たちの中には、 全く畳のない生活をしている子供たちが約10%いたものの、 「部屋の匂いで、何だか落ち着いた。いつもより集中できた」(中1女子) といった声が多く聞かれたという。
森田准教授によると、和室のない家庭では、イグサ製のござを 使用するだけでも効果があるという。(週刊ポスト)
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